Leather Lesson 1
白頭大鷲(冠大鷲?)のカービングを施したバッグを作りました。
Lesson1では、まず このバッグがどのような手順で作られるのか、
その作業行程を大まかに説明します。
革を裁断し、図案を移します。
革は、カービングや染色により変形するので、最初は大きめにカットしておきます。
スポンジや水バケを使って革を適度に湿らせます。そして、図案を写したトレースフィルムをのせて 鉄筆でなぞり図案を革に写します。
写した図案の線にそってカッティング & スタンピング
カッティングというのは、カービング用のスーベルカッターというのを使い
図案の線にそって切り込みを入れていく作業です。滑らかに綺麗にカッティングされているかどうかで、作品の出来がまったく変わってしまいます。たとえば
このワシの場合、トレースした線の内側をカットするか 外側をカットするかで足が太くなりすぎたり、目が大きくなり過ぎたり・・・
引き続きスタンピング作業
革を適度に湿らせながら、様々な形をした刻印で叩き込むことで 模様を浮かび上がらせるます。わずか2ミリ前後の革に遠近感を付けていくのです。刻印の角度や強さ次第で カービングが立体的になったり平面的だったり。
唐草模様などの伝統的な図案の場合は、ある程度 使う刻印や叩き方の基本を覚えることが大切です。この鷲の図案のようなフィギュアカービング(動物や風景などを彫ること)の場合は自由な部分が多く、作者のセンスの見せどころですね。
最後にデコレーションカットを入れてカービングの仕上げ
デコレーションカットとは、カービングの仕上げに スーベルカッターで飾りを入れることです。唐草模様などの場合は
花弁や葉脈の飾りのカットですが、この図案の場合は 嘴の切り込みや 足のシワ・・・ぐらいかな?
スーベルカッターの刃先にもいろいろ種類があって、動物の毛並みや波などを表現するために 先がギザギザになったものがあります。これで尻尾の羽や首のあたりの羽並みを整えたりします。
フィギュアの仕上げは スーベルカッターばかりではなくモデラ(ヘラのようなもの)も使います。鷲の目の周りなどの細かい部分の仕上げやゴツゴツとした木の表情は モデラも使って表現します。
染色
ここでは、靴墨のようなペースト状の染料を使い、革の凹部分に濃く染め付かせて陰影を付けました。アンティークな風合いにする「さび入れ手法」です。
この他、アルコール系や 塩基性の液体染料を使い カラフルに染めたり、アクリルなどの顔料を使って染めることもできますが、私は 液体染料+アンティックで染めることが多いです。
他の部品も染色し、加工、組み立てて出来あがり
内ポケットを付けたり、手カンを付けたり、必要な場所に芯を入れ裏革を張り合わせ、組み立てて手縫い(一部ミシンも)をして出来あがりです。(随分端折ってるって?。。確かに^^;)
仕立ては仕立てで またアップしますね。