Leather Lesson 2

(カービングの基礎)

このページ、ずぅ~っと昔に作りっぱなしで 今見ると情けないカービング画像で恥ずかしい・・。
カービングのGood上達法のひとつは 良い作品を沢山見ることです。 果たして私のカービングが良い作品かどうかは分かりませんが、「女性らしい丁寧な作品ですね」とよく言われます。ブログでも時々作品画像をアップしていきますので、どうぞそちらも見てくださいね。皆さんの参考になれば嬉しいです。(2009年1月ナホ)

レザーカービングとは、革に彫刻を施すことです。
革は 湿らせると軟らかくなり 細工がし易くなります。そして その性質を利用して、革を湿らせながらスーベルカッターでカットを入れたり、刻印で革の表面を叩きつぶし立体感を付け革に美しい模様を定着させます。
ここでは 古典的な唐草模様で、カービングの基礎的な 手順を説明します。(基礎にするにはちょっと細かな図案でゴメンなさい。ちょうど作業中の作品が この図案だったのです^^;)

革を裁断し 図案を写す

裁断した革を湿らせて 図案を当て、上から鉄筆などでなぞり模様を写します。
革は 湿らせておくと 軟らかくなるので、普通に文字を書くような筆圧でも 十分に図案を革に写すことができます。湿らせる程度は、スポンジや刷毛に水を含ませて革をサッと拭き、水分がすうっとしみ込み
革の色が変わり丸まった革が平に伸びる程度でしょうか。

写した図案の線にそってカッティング

スーベルカッターで、写した図案の線に添って革をカットしていきます。 カットする深さは 革の厚みの1/2~1/3ぐらい。カッターの切れ味が悪い時は、さらに革を湿らせたり革床とルージュスティックで作った革砥で カーターを砥ぎながら(滑りが良くなります)カットします。

スタンピング–1.ペアシェダー(陰影)

革を窪ませて影を付けることによって 花や葉のふくらみを表現します。花びらや葉の大きさ・形状に合わせて 強弱を付けて打ちます。

スタンピング–2.カモフラージュ(あさひ)

カモフラージュは「偽装」とか「ごまかし」という意味ですが、その意味の通り、「くっきり・はっきり」とは打たずに軽くぼかし加減に打ちます。(私はこの打ち方が好きです)
花びらや茎の部分や葉脈に 元の方から先に向かって連続して打ちます。うず(巻いた形の葉)は外側の線に添って打ち、うずの最後に1個 ハッキリと打ち うずの丸みを整えます。

スタンピング–3.ベベラ(傾斜)

花や葉の重なり具合に注意しながら 図案の外側をたたき、模様が浮き上がるようにします。ベベラを打つとカモフラージュのはみ出した跡を消すことができます。刻印は傾けずに真っ直ぐに持つのが基本。打った部分が遠浅になる様にしますが、2本以上の線が狭い間隔で平行にある部分などはベベラで他の線を消さないように 少し手前に刻印を傾けて打ちます。

スタンピング–4.ベンナー(葉脈)

ベンナーは、葉脈の中心線に添って 中心線側が深くはっきり そして外側に向けてぼける様に刻印を傾けて 打ちます。
葉脈の中心線のカーブに合わせて ベンナーの外側が開くように少しずつ ずらして打つのですが、ずらしすぎると失敗します。初心者の人は ほとんど平行に打つぐらいの気持ちで打って ちょうど良いと思います。

スタンピング–5.シーダー(種)

花芯は、まず芯の外側に1列打って アウトラインを決めてしまい、中心に向かって隙間無く打ち進むと綺麗に仕上がります。ここではシーダーを打った後、カモフラージュを放射状に打っています。うずの中心にも1個打ちます。小さなシーダーは 強く打ち過ぎない様に注意ね^^

スタンピング–6.バックグラウンド

図柄の背景になる部分を 落とし込みます。模様が浮き上がり、ずっとはっきりしてきますね^^バックグラウドは、隙間無くしっかりと打つと とても綺麗な仕上がりになるのですが、革に水気があり過ぎると革が伸びて 模様がゆがんでしまいますので 注意です。

スタンピング–7.ストップ(留め)、ミュールフット(ラバの足)

茎のところや 葉の線の最後のところを止めるのが ストップです。模様の線の流れに添って打ちます。これを打つと中途半端に途切れたような線にアクセントが付いてメリハリのある線になりますね~。そして、ストップを打った先に ミュールフットを打つと、模様が ずっと豪華になります。ミュールフットの数は決まりはありません。模様全体のバランスで決めます。打ち方は ストップに近い方から徐々に小さくなるように打ってね^^

デコレーションカット(飾りのカッティング)

スタンピングが 全て終わったら 最後に もう1度革全体を湿らせて、スーベルカッターでデコレーションカットを入れます。花は まわりから中心に向け、葉や茎は 模様全体の流れを意識しながらフリーハンドでカットします。
革は 湿らせると軟らかくなり、乾くと 縮んで硬くなります。ですから、湿っているうちにカットを入れると、乾いた時に その切り口が開いて 表情のある綺麗なカットになります。
デコレーションカットは基本的なものはありますが 決まりはありませんので、いろいろな図案集を見たり他の人のカットを見て 自分の好きなスタイルを決めると良いでしょう。

しかしながら、カービングを独学で習得するのは 教本もお手本も少ないので 大変苦労されるかと思います。
ご興味がございましたら 教室にお問合せ下さい。 →→→ 宮野レザークラフト教室